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事業者に聞く 70歳以上の高齢者どう働いてもらう?

2020.07.13/カテゴリ:

高年齢者雇用安定法が改正

厚生労働省は高年齢者雇用安定法などを改正し、2021年4月から企業に対し、70歳までの就業確保に努めることを求める方針を打ち出している。運送業界でも従業員の高齢化は進んでいるが、70歳以上の方を雇用するなら、どういった業務に従事させるか、聞いてみた。

 

営業職を担当してもらうのも一つの考え
 「67歳のドライバーがいる。70歳以上の方を雇用するなら、市内配達での駐禁パトロール対応、運行管理者、助手を担当させたい。また営業職を担当してもらうのも一つの手。以前働いていたところのツテ、経験、勘を活用してもらうことで、新たな取引先を増やすといった取り組みを行うことができる」(大阪府羽曳野市の運送会社)

 

現場職は任せられない
「一斗缶の輸送を行っているが、一斗缶を6段積んで運ぶ。重さは40キロほどあり、バランスよく運ぶ必要がある。荷下ろしも、段積みのまま下すので、常日頃、運ぶための訓練を行っていない人でないと任せられない。70歳以上の方を雇用する場合、体力的に問題があることと、業務の難しさから、運送業務の経験があるない含め、事務作業を担当してもらうこととなると思う」(大阪府摂津市の運送会社)

 

任せられる仕事はない
「業務内容については、体を動かすし、運転にも気をつかう必要がある。70歳にもなれば、感覚も鈍るため、そうした業務を行わせることは難しい。当社で雇うとなると、残念ながらお断りする可能性がある」(神戸市東灘区の運送会社)

 

55歳以上の就職希望は断っている
 「55歳以上の就職希望は断っている。仕事内容を一から丁寧に覚え、実践することで仕事ができるようになる。若い人ならともかく、年を取るとそうした取り組みが行えなくなる。以前、35年間働き続けた72歳の方がいたが、その方を雇い続けられたのは、今までの仕事への姿勢や、取り組み方をそばで見てきたことが大きい。長年勤めてきた方には、明確な信頼性がある」(大阪市浪速区の運送会社)

 

我が強いのが欠点
 「65歳以降の方の就職希望は断っている。確率論の話ではあるが、我が強い高齢者が多いことが一つの原因。65歳以上になると『年金があるから、仕事を辞められる』と豪語する人も多くなる。ルールを守らずに自分勝手な行動をとるようになる。高齢社員が働けないからといって、不用意に若い従業員に仕事の負担を増やすと、仕事を平等に行えなくなる。強いては会社の和を乱す」(大阪市浪速区の運送会社)

 

夜間点呼、車庫警備、受領書の処理
 「70歳以上の方を雇用する場合、夜間点呼、車庫警備、受領書の処理といった事務を担当させたい。しかし、運転業務を任せるのは難しいと思う。社内の高齢者であれば、今までの運転を見ているので、運転に明確な信頼性がある。新しく来た人の場合、どこまで運転できるのかといった実情が見えてこない。知るためには運転を行わせる必要があるが、そこで事故が発生するリスクなどを考えると、運転業務を行わせるのは問題がある」(田村運輸㈱、金崎誠社長、大阪府寝屋川市)

 

事務作業を行う人少なく担当してもらいたい
「事務作業を行う人が少なく、受領書の確認作業が滞り、未確認の受領書がよく溜まっているのが現状。70歳以上の方を雇用するのであれば、内部での受領書のハンコの確認作業や、事務作業、電話の取次ぎを担当してもらいたい。運転業務については、経験者であればともかく、そうでなければどこまで運転できるのかがわからないため、運転確認を行う必要がある」(大阪市北区の運送会社)

 

受領書、伝票の確認作業や車庫警備運転業務
「70歳以上の方を仮に雇用するのであれば、受領書、伝票の確認作業や、車庫警備を担当してもらいたい。
運転業務については、どこまで運転できるのかは運転させてみなければわからない。確認を行う際に事故を起こす可能性もあるので、注意深く確認する必要がある」(大阪市港区の運送会社)

 

健康を第一優先 年に2回の健康診断
「70歳以上のドライバーが5人いる。2㌧車1人、4㌧車4人。年に2回健康診断を受けてもらっている。そこで、異常がなく、本人がまだ頑張りたいと思えば運転を続けもらう。しかし、病気ではなくても、体力が衰えているのは事実。しんどかったら少し休む、体調がすぐれないときはすぐに病院へ行ってもらうなど、常に健康を第一優先にしている。ただし、これらのケースは運転経験が長いことが前提。新しく70歳前後のドライバーを採用することは、安全の観点から、お断りしている」(大阪府門真市の運送会社)

 

残業が発生しないように配車
 「70歳以上のドライバーが2人いる。それぞれ、定期便で2㌧車と大型車の運転。運ぶものは、プラスチックや水回りの製品など。身体のことを考えて、残業が発生しないように配車を決めている」(奈良県北葛城郡の運送会社)

 

引退後も遊びにくるおじいちゃん
 「70歳以上のドライバーはいません。しかし、78歳の元ドライバーのおじいちゃんが、引退後も週に2~3回、会社に遊びに来てくれます。みんなからとても尊敬されていて、仕事からプライベートまで、何でも話せるよき相談相手でもあります。現役時代から、落ちているゴミを見つけたら、真っ先に拾いにいったり、人が嫌がることも率先して行うとか、まさに会社の鏡のような人。その方が遊びに来てくれるのをみんな楽しみにしています」(㈲大原運送、和歌山県紀の川市、大原貴美会長)

 

安全第一なので70歳で引退 
 「政府は働き方改革、人手不足といって高齢者を何とか活かそうとします。しかし理想と現実には大きなギャップがあるので、政府の政策に疑問がある。70歳前後になると、知らず知らずのうちに視力や聴力は低下していく。もちろん、仕事を頑張りたいという気持ちは素晴らしい。しかし、現実は健康に問題が出てきて、安全運転ができない可能性が高まる。そのような状態で運転してもらうのは怖い。70歳で引退してもらうことになります」(奈良市の運送会社)

 

衰えを自覚していない人がいる
 「ドライバーにとって、視力や反応力は命。それらの衰えを、自分で自覚している人と、自覚していない人がいる。自身の身体の衰えを自覚していない人が運転するとどうなるでしょうか。もちろん、事故の確率が上がる。事故を起こして傷を負うのは、本人。事故を起こしたトラウマが残る。また、他の社員、本人の家族にも影響が及ぶ。そのため、うちには70歳以上のドライバーはいません」(兵庫県三木市の運送会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

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