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国交省概算要求を考える!

2022.03.08/カテゴリ:

次年度に力点を置く事業が判る

フリージャーナリスト・本紙関東総局長・延寿寺幸次郎

 まず、その「プロセス」を確認した上で、本題に入りたいと思う。

策定「プロセス」は、次の通りである。

 

(1)6月中旬:経済財政諮問会議で「骨太の方針」が「閣議決定」

(2)7月:財務省が、各省庁が次年の予算を提案する際に、どれくらいの額に収めればよいかを示す「概算要求基準」を作成

(3)8月末:各省庁が次年の予算の使い道を提案する「予算概算要求」を財務省に提出

(4)9月~12月:財務省が各省の要求をヒアリングして、予算として盛り込むべきか査定

(5)12月上旬:経済財政諮問会議で議論する「予算編成の基本方針」を「閣議決定」

(6)12月下旬:政府予算案の確定

(7)1月:予算案の国会提出

(8)2月~3月 国会での審議

(9)3月末 予算成立

 

この「プロセス」から行くと「令和4年度予算」成立までには、あと「5カ月半」ほどかかることになる。

 

 今回取り上げるのは、右記(3)の「国交書から財務省」に提出された「トラック運送業に関係する概算要求内容」についてである。 

なぜ、「国交書からの概算要求」を取り上げるのかというと、新年度において、国交省が「トラック行政」に「重点的に取り組む事業」が、判断できるからである。

 

◆国交省の概算要求に明記されたトラック行政関係主要施策と具体的事業

 

 「主要施策」は、「4分野」に分けられ、そのうちの「2分野」において、「トラック運送事業関係の概算要求」を行っている。

「主要施策」と「概算要求」がなされた事業は、次の通りである。

 

(1)持続可能な自動車運送事業・整備業の確立に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革等の推進

トラック運送業における「働き方改革」の推進

危機時等におけるトラック運送業の「強靭性の確保」

自動車運送事業の運行管理の高度化

自動車運送事業に係る各種申請手続のデジタル化

 

(2)2050年カーボンニュートラルの実現に向けた自動車の電動化の推進

*トラック運送事業関係の概算要求はなし!

 

(3)自動車運転技術も活用した安全・安心の確保

1、高齢運転者等の事故防止対策の推進

2、自動車運送事業における安全対策の推進

  ①自動車運送事業者に対する監視体制の強化

  ②先進安全自動車(ASV)やドライブレコーダー等の導入支援

  ③健康起因事故防止対策の推進

 

(4)事故被害者救済の充実

*トラック運送事業関係の概算要求はなし!

 

◆具体的事業内容と概算要求額を見る!

◎トラック運送業における働き方改革の推進(拡充)=概算要求額1億円

◎危機時等におけるトラック運送業の「強靭性の確保」(継続)=概算要求額1800万円

◎自動車運送業の運行管理の高度化(拡充)=概算要求額3400万円

◎自動車運送事業に係る各種申請手続きのデジタル化(新規)=概算要求額                                 1700万円

◎産学官連携による高効率次世代大型車両開発促進事業(継続)=概算要求額                                3億8100万円

 

◆概算要求額がついた事業の概要を把握しておこう!

 右記に示した「概算要求事項」と「要求額」で、国交省が「令和4年度」のトラック運送事業向けで、主に取り組む事業が理解できたと思う!

そこで、各事業の概要について把握しておきたいと思う。

 

(1)トラック運送事業における「働き方改革」の推進

トラック運送事業は、他の産業に比べて、「長時間労働」、「低賃金」の状況にあり、「ドライバー不足」が、深刻である。

「働き方改革」による労働条件改善のため、①労働生産性の向上、②多様な人材の確保、③取引環境の適正化等に資する事業を実施する。

これらの「具体的推進策」としては「トラック運送事業の実態把握等」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた働き方改革に関する調査」、「ホワイト物流推進運動」を挙げている。

 

(2)危機時等におけるトラック運送事業の「強靭性の確保」

物流を支える重要な社会基盤である貨物運送事業について、自然災害発生時や感染症流行の危機時においても、事業継続を可能とするための体制強化及び事業構造の強化を図るための事業を実施する。

具体的には、①運送事業者と自治体等が災害時の物資輸送等について締結する災害協定について、全国の状況を把握するとともに、抽出された課題・対応策を整理し、効果的なモデルを検討する。

②また、効果的な協定モデルについては、自治体等の災害協定の新たな締結・改善に生かせるよう、地方協議会等における普及を促進する。

 

(3)自動車運送事業の運行管理の高度化

自動車運送事業の輸送の安全の根幹を成す運行管理について、確実性の向上や運行管理者の業務負担の軽減などに取り組む必要がある。

またIT技術の進展を踏まえ、AI(人工知能)等を搭載する機器による点呼の実施や、営業所を跨いだ運行指示業務の一元化により、運行管理の高度化を実現する。

 

(4)自動車運送事業に係る各種申請手続きのデジタル化

自動車運送事業の申請手続・審査業務等のデジタル化を進める必要があることから、申請者・審査等担当職員の双方にとって合理的な申請・審査・情報管理等のシステム構築について、最適化・効率化のための調査を実施する。

 

◆結びに代えて

国交省の「令和4年度予算概算要求」を俯瞰してみた。

このことによって、国交省が「令和4年度」に、重点的に取り組む事業を把握できたことと思う。

当然のことながら、各事業所個々も「令和4年度事業計画」を組むわけだが、その際に、今回取り上げた「国交省の令和4年度概算要求=重点事業」を念頭に置いた「事業計画」をくみ上げて頂ければ幸いである。

また、是非とも、自社の「ロードマップ」にマッチングした計画をくみ上げて頂ければ、幸いである。「情報」は、「人、物、資金」に加えて「重要な経営資源」であることを忘れてはならないのである。

 

 

 

 

 

※トラック情報社 物流新時代 提供※