時代に逆行させ?再配達率を削減
スキャッチ

写真=スキャッチのホームページより
ネット通販の普及で、宅配業界では人手が足りず、ヤマト運輸では運賃の値上げで宅配荷物の荷受けを減らす総量規制を行うなど非効率な配送を敬遠する動きが見られる。
それに逆行するかのように、早朝、夜間に荷物を配達し、業績を伸ばしているところがある。
ソフトバンク子会社のマジカルムーブ(東京都)が提供する、「スキャッチ」だ。
2015年6月にサービスを開始。午前6時から商品の配達を開始し、午前0時まで配達を行っている。午前6時から午前10時、午後8時から午前0時まで1時間ごとに配達時間を指定でき、午前10時から午後8時までは、2時間ごとに時間指定が可能。
管理システムにはAI(人工知能)が搭載され、最も効率的に巡回するルートをドライバーに提案。
ユーザーは、細かく配送時間の指定をできるだけでなく、スマホの地図上で、ドライバーがどこを走っているのかを把握できる。ドライバーがユーザーの直前の配達先を出発すると、「今から伺います」というメールが送信される。
結果的にユーザーの待ち時間を減らすことができ、配送先の在宅率を高め、ドライバーの再配達率を下げている。
日用品や家電などの通販「LOHACO」(ロハコ)や宅配クリーニング「Lenet」(リネット)など5つのサービス会社と提携しているが、提携会社のサービスを利用すると、ユーザーは自動的にスキャッチを利用することになる。配送料金は提携先の商品代に含まれる。利用エリアは、現在、東京都内や大阪市内の一部。
早朝、夜間にピンポイントの時間帯で配達が可能なスキャッチは「再配達率」を減らし、提携先の会社にとっても、共働き世代やビジネスマンを中心に顧客獲得につながっているようだ。
※トラック情報社 物流新時代 提供※