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「勝手にリフト作業させない」

2021.06.04/カテゴリ:

荷主構内でリフト事故発生受け、運送会社が対応策

「作業確認書」をドライバーが荷主に提示


写真=新たに作成した輸送及び作業確認書

写真=新たに作成した輸送及び作業確認書

 

昨年、A社のドライバーが荷主企業の作業場でピッキングをした後、フォークリフトで積み分け作業をしていた際に事故が発生した。
A社のドライバーがリフトを後退させていたところに、B社のドライバーがが「声かけ」をすることなく侵入。接触して転倒し、骨折した。A社のドライバーは、後方確認を怠っていたことを認めた。
A社の社長は、「このような事故は多く起きているが、その多くは発覚することなく終えている。しかし、それでは同じ事故が繰り返される」と問題提起する。

【事故当時の状況】

①リフトの所有者は荷主企業で、十数年前から、出入りする運送会社が使用していた。
②作業場にはリフト使用規定などの掲示はなく、運用されていた。リフト作業に関する書面の配布等もなかった。
③作業方法、現場管理は出入りする運送会社任せであった。
④作業場のリフト使用であっても、保険には加入していた。また、リフトの年次点検は実施していた。
⑤歩行者通路、リフト作業範囲は線引きして区別されていた。
⑥A社とB社のドライバーはリフト免許を所有していた。
 A社社長によると、十数年もの間、暗黙の了解で運送会社がリフト作業を行っており、荷主は作業現場の管理を各運送会社に任せていたとのこと。
今回の事故を受け、荷主企業の担当者から「A社の運用はどうなっているのか」と問い合わせがあったが、荷主企業は、「私たちは社外のリフト乗務を認めておらず、自社のリフト作業員がすべて荷扱いしている」と説明しおり、今回の事故についてもいまだに責任の所在があいまいになっているという。

「会社の許可がなければできません」

A社の社長は「この事故から学んだが、運送会社はドライバーへ聞き取りを行い、業務状況の把握や点検確認をする必要がある。そして、社員教育の徹底、社内規定の見直し、リフト保険への加入、年次点検の確立などを再確認しなければならない」と強調。
また、「仕向け地で運転手にリフトの作業依頼があれば、『会社の許可がなければできません』と伝えること、自分勝手にリフト作業は絶対にしないとドライバーに徹底させることが重要」と話す。
同社は、現在、「作業確認書」をドライバーに持たせ、リフト作業などの依頼があれば提示し、記入をしてもらうようにしている。その後、担当者のサインをもらい、了解のもと作業に取りかかるようにしている。
なお、作業確認書には料金の記入欄が設けられている。
また、A社社長は、「荷主と良好な協力関係のためには、現場の責任範囲を明確にするための方法として、『業務範囲の整理』が欠かせない。会社がドライバーを守らなければ、この業界からドライバーは離れていく。人手不足が続く中、物流の仕事で定年まで頑張っていこうと思えるような環境を整え、実行することが求められている」と話す。
 
リフトのKYT教育も必要

物流コンサルのロジクエスト㈱の代表、清水一成氏は次のように話す。
リフト作業中の事故は日々多く発生している。現場の管理がしっかりしてない企業が多く、まず、リフト作業中の事故について「荷主が管理していたかどうか」が重要なキーワードになる。
しっかりとした荷主企業は、ドライバーからリフトの免許証を確認し、その番号を控えた上でカギを渡す。つまり、ドライバーが勝手にリフト乗務できない仕組みになっている。
 また、作業範囲を確認し、どこまでの作業をドライバーにしてもらうのかを明確に提示・伝達している。その際には「フォークリフトの作業計画書」を作成し、作業の範囲を「見える化」している。  
そうでなければ、事故が発生した際に責任の所在でもめてしまう。
 そして、運送会社は事故を起こさないための教育をドライバーに行うべき。安全運転の講習会などはよくやっているが、リフトの勉強を十分に実施している会社は少ない。危険予知訓練(KYT)、実際の事故事例を見ながらの勉強会などを、もっと積極的にしなければならない。
 

 

 

 

 

 

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