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政府はトラック運送業政策の具体的成果を示せ

2021.08.05/カテゴリ:

論 調   今こそ「官民一体」で「業界改革」を実現すべきだ!

フリージャーナリスト・本紙関東総局長=延寿寺幸次郎

写真=参考写真

 


平成30年12月14日に公布された「改正貨物自動車運送事業法」に基づき、翌令和元年7月1日に「荷主対策の深度化」、同11月1日に「規制の適正化」、そして、令和2年4月2日には平成2年の「規制緩和」以来、業界挙げて策定が望まれていた「標準運賃」が、令和5年までの時限措置として導入された。 
これら一連の施策は、平成31年に施行された「改正労働基準法」に基づき、令和6年からトラック運送業界に適用される「時間外労働の上限規制(時間外労働・年960時間)に対応する基本的な対策として行われた。
ちなみに、来年4月からは、「月間60時間超の時間外労働」に対する割増賃金率が、それまでの「25%から50%」に引上げられる。
「時間外労働の上限規制」、「時間外労働に対する割増賃金率適用」については、それに対応出来るだけの「収益」が必須であることを忘れてはならない。

 

◆政府はトラック運送業政策の具体的成果を示せ!
 3年後のトラック運送業界を対象とした「時間外労働の上限規制の導入」を見越して、政府は、平成30年5月30日に開かれた「関係省庁連絡会議」で「長時間労働にブレーキ、生産性向上にアクセル」――をキャッチコピーとした「トラック運送業界の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」を策定している。
「同計画」は「長時間労働是正の環境整備」と「長時間労働是正のためのインセンティブ・抑止力の強化」の「2本柱」から成る。
さらに、「長時間労働是正の環境整備」は(1)労働生産性の向上、(2)多様な人材の確保・育成、(3)取引環境の適正化――から成る。
(1)「労働生産性の向上」については、①輸送効率の向上(警察庁・農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)、②潜在需要の喚起による収入増加(国交省)、③運転以外の業務も効率化(国交省)
(2)「多様な人材の確保・育成」については、①働きやすい環境の整備(厚生労働省、農水省、国交省)、(3)「取引環境の適正化」については、①荷主・元請等の強力確保(厚労省、農水省、経産省、国交省)②運賃・料金の適正収受(国交省)――となっている。
さらに、「長時間労働是正のためのインセンティブ・抑止力の強化」については、①「働き方改革実現に向けたアクションプラン」の実現支援(国交省)、②ホワイト経営の〈見える化〉(国交省)③労働時間管理の適正化の促進(国交省)④行政処分の強化と示されている。
この平成30年5月30日の政府・関係省庁連絡会議で策定された「自動車運送業の働き方改革実現に向けた政府行動計画」の「成果」は、3年後の「時間外労働の上限規制」のみならず、将来の「トラック運送事業の命運を左右する」内容であると筆者は思考している。
それだけに、「同政府行動計画」策定から3年目の「政策評価」を行い、トラック運送業界に明示して頂きたいと切望するものである。

 

◆今こそ「官民一体」で「業界改革」を実現すべきだ!
 政府・関係省庁が決めた(今回取り上げたのは、関係省庁連絡会議の決定)トラック運送業関係の政策は、これまで、国土交通省が中心になって「セミナー」などを行うか、全日本トラック協会と共催もしくは、全ト協が47都道府県のトラック協会単位で、浸透のための「研修会」などを行うのが、一般的に行われる形式であった。
トラック運送業を対象とした「時間外労働の上限規制」まであと3年余であり「待った無し!」である。今こそ、「官民一体」となって「業界改革」を実践し、強固な業界基盤を造成すべきであると思う。また、現在は、その好機と言えるのではないかと思うのである。

 

◆結びに代えて
 当業界が「機能が失われる危機」と言われてから久しい。その度に引き合いに出されるのが、「全産業平均」に比べての①長時間労働②長時間の所定外労働時間③年間賃金④人手(ドライバー)不足⑤ドライバーの高齢化⑥女性社員及びドライバー比率の低さである。
「時間外労働の上限規制」が導入される「3年後」を目途にこれまで、業界が包含して来た旧弊(汚名)を一挙に挽回する意気込みで、個社が取り組んでみてはいかがであろうか?
業界の「持続可能性」を現実にするための強固な「基盤強化」を果たすための、ベストな時期が到来したとする「ポジティブ思考」を、全ての業界経営者に、強く求めておきたい。

 

 

 

 

 


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