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「まずは運賃の引き上げ」多く 

2021.12.17/カテゴリ:

改善基準告示の見直し踏まえ

 

事業者の声「過度な要求する荷主への罰則も必要」

写真=参考写真

 

 

厚生労働省は現在、「改善基準告示」の見直しに向け、トラック作業部会の会合を開いている。作業部会では、勤務実態を調査し、その結果をもとに改善基準告示の見直しの方向性を決めていくが、「改善基準告示」について、どのような見直しを行うべきか、運送事業者に聞き、主だった声を集めた。

 

ドライバーも運行管理者も疲弊している

 

 労働時間の短縮には賛成だが、430休憩や休息期間などについての指示が細かすぎる。430休憩については、SA・PAの駐車枠が足りないにも関わらず、連続運転4時間を超えるとトラック運送事業者が処分されてしまう 連続運転時間は6時間まで認めてほしい。
改善基準告示に求めることは、事故や渋滞、荷主の都合など、ドライバーが時間を予測することができない場合において、規定の時間を超過したからといって、すぐに「違反」としないことだ。
 運行計画は作っているが、特に長距離輸送では計画通りの運行が不可能なケースも多くある。また、大型連休や年末年始は渋滞することが明らかなのに、普段と同じ基準で取り締まりを行うため、ドライバーも運行管理者も疲弊している。
 実際に運転するのはドライバーなので、本人にもっと裁量権を与え、現場での柔軟な対応を認めてほしい。ただし、連続運転時間が6時間を超えるなど、明らかに危険を生じるような運行については引き続き取り締まるべきだ。(兵庫県の運送会社社長)

 

過度な要求をする荷主に処分を下すべき

 

 長距離運行は待機時間が長くなる傾向にあり、結果として拘束時間が延びてしまうが、待機時間はトラック運送事業者だけでは短縮できない。このため、過度な要求をする荷主に処分を下すべきである。
荷主勧告制度があるが、立場の弱い中小トラック事業者は仕事がなくなるのを恐れて使えていないのが現状だ。無理な時間指定や、やむを得ない遅延に対してのペナルティを要求する荷主には、下請法違反として対処してもらいたい。(大阪府の運送会社社長)

 

まずは標準的な運賃を支払ってほしい

 

 改善基準告示の内容をなるべく実態に沿った内容になるよう見直すこと自体は賛成だが、荷主が適切な運賃を支払わない限り、ドライバーの労働時間を短縮することは難しい。
 十分な運賃が収受できれば、高速道路の活用はもちろんのこと、ツーマン運行や完全週休二日制などを導入し、ドライバーへの負担を軽減できる。ドライバーの労働時間を細かく管理することも大事だが、まずは荷主が「標準的な運賃」もしくは、それに近い運賃を支払うべきだ。(大阪府の運送会社社長)

 

運賃や待機料金を法律で定めるべき

 

ドライバーの労働環境が改善されるのは良いことだが、それに伴ってコストが上がる。例えば、運行距離400キロ以上の運賃について、バスのように運賃を法律で定める、待機させた側が待機料金を支払うなど、法律を整備する必要がある。そのためには、行政の協力が必要不可欠となる。(大阪府の運送会社社長)

 

運賃の規制強化と荷主への罰則が必要

 

今回の改正は主に残業時間の短縮を念頭に置いたものだと捉えているが、現行の改善基準告示においても拘束時間が業界全体として十分に遵守されているとは言い難い中で、さらに残業時間短縮を求めても、厳しいと考える事業者が多いのではないか。
輸送は、出荷人、輸送業者、荷受人の三者が協力しないと合理的な輸送が実現できないが、現実は出荷人、荷受人が輸送業者の都合を考えず、自分たちの合理性のみを追求しているケースが多い。
それが長時間待機の主な原因となっているが、規則違反で罰則の対象となるのは実運送業者のみであり、出荷人、荷受人に対しては国土交通省の管轄外となり、金銭的損失を伴う一切のペナルティはない。まずはその部分を改善しないと、ドライバーの労働環境改善にはならないだろう。
つまり、運賃に関する規制を強化し、罰則を伴う実効性のあるものとすべきである。(大阪府の運送会社社長)

 

ドライバーに改善基準告示を教えるべき

 

 改善基準告示の内容を現場の実態に合わせたものにするのはよいが、経営者らはドライバーに改善基準告示の内容を教えないと意味がない。今の改善基準告示について、すべて知っているドライバーはごくわずかで、知っているのは「430休憩」だけ、というドライバーも多いのではないか。それどころか、経営者でも理解していない人がいるのが現状だ。(埼玉県の運送会社社長)

 

労働時間短縮には最低運賃が必要

 

4時間走って30分の休憩が必要だが、休憩するところがない。4時間はあくまでも目安、目標にしてもらいたい。
 改善基準告示を守るには、やはり、時間をお金で買うこということになるのだが、そのためにも、高速道路料金は終日割引にする必要があると思う。
やはり、運転手の労働時間短縮には最低運賃を作るべき。「これ以上は下げるのはダメ」を設けるべき。運賃はもらえるところで異なり、下請けの運転手になればなるほど運転手も休めない。(三重県の運送会社社長)

□  □  □

改善基準告示について厚生労働省は、今年10月から、コロナ禍による貨物取扱量の変動を踏まえた労働時間の実態調査を実施し、調査結果を踏まえ2022年12月までに改善基準告示を改正し、1年間の周知期間を設けた後、2024年4月に施行する予定。

 

 

 

 

 

※トラック情報社 物流新時代 提供※