「買物代行サービス」への参入相次ぐ
買物困難者 外出自粛背景に


高齢化や地元小売店の廃業などによって過疎地や郊外の団地などで買物困難者が増えている。また、新型コロナで外出自粛が求められる中、様々な業種からの「買い物代行サービス」が相次いでいる。
トヨタモビリティ東京㈱は昨年11月から、スーパーヤマイチ(東京都)とタイアップし、買物代行サービスの実証実験を江戸川区内で行っている。
同社は2019年7月、ドラッグストアで購入した商品を、1回100円で30分以内に自宅まで届ける配送サービス「ジモトヨタ」を開始。
その中で「仕事や介護などで買い物に行く時間がない」といった声を聞き、外出しなくても食料品や日用品を購入できるように地域密着型スーパーと連携した。
専用サイトから注文すると、スーパーのスタッフが商品をピックアップし、ジモトヨタの配送スタッフが指定された日時に自宅まで届ける。配送基本料金は1回400円。
大阪のタクシー会社㈱未来都(大阪府守口市)では2020年5月から、生活用品の配達ニーズとタクシーによる運送をマッチングする「ご近所さんタクシー」を開始。
買物代行をはじめ忘れ物の受取、チケット・切符の予約・購入まで、ご近所さんにお願いする感覚で担当乗務員が要望を電話で聞き、要望に応じた対応をする。利用料は30 分1000円、以降15分ごとに500円加算される。
オンラインのギフトシステムを提供する㈱ギフトパッド(大阪市)では、昨年7月からスーパーまるごう(鳥取県米子市)とともに買物代行サービスを行う。サービスを行う南部町は人口約1万人、高齢化率が30%を超える。
電話やネットで受注し、地元の青年海外協力協会(青年海外協力隊経験者による組織)のスタッフが商品の購入と配達に加えて、ひとり暮らしの高齢者の見守りも担う。利用1回につき配送料・手数料計500円。
ギフトパッドの広報担当者は、「地方の人口減少で食品スーパーも人手不足。地域の課題解決を地元組織が担い、収益を生む仕組みを目指す。今後は他の地域でも、このシステムを活用していただきたい」としている。
※トラック情報社 物流新時代 提供※