型式証明申請が受理
国産機の実用化へ一歩前進

㈱SkyDrive(スカイドライブ、東京都)は昨年10月に、開発中の「空飛ぶクルマ」が、航空法に基づく型式証明を国土交通省に申請し、受理されたと発表した。空飛ぶクルマとしての型式証明申請は国内で初めて。
型式証明とは、機体の設計が安全性及び環境適合性に関する基準に適合することを国が審査し、検査する制度。
機体の開発と並行して、国は、審査や検査を行う。
空飛ぶクルマとは、電動・完全自律の自動操縦・垂直離着陸の航空機で、世界各国で開発が進められている。地上を走る「車」との差別化のため「クルマ」というカタカナ表記になっている。
ヘリコプターとは異なり、エンジンでなく電動だ。飛行する原理はドローンに近いが、安全に人を運ぶために大きな機体を安定飛行させる必要があり、開発のハードルは高くなる。
また、従来の航空機は主翼や回転翼を持つが、「空飛ぶクルマ」は、複数のプロペラを持つ全電動の、垂直離発着が可能な航空機。離発着に滑走路が不要で、より小さなインフラで運用できることが、従来の飛行機と大きく異なる。
都市部でのタクシーサービス、離島や山間部で新たな移動手段、災害時の救急搬送などの分野で期待されている。
スカイドライブは2018年に設立。「空飛ぶクルマ」や物流ドローンを開発する。2020年8月、国内で唯一4分間の有人飛行試験を実現した。
試験機は電動で垂直離発着し、ヘリコプターより多い8つのプロペラで飛行する。万一ひとつのロータが動かなくなっても、安定して飛行を続け着陸できる。
スカイドライブの担当者は、「型式証明申請の受理は、弊社の開発計画が、国交省として正式に審査するに値すると理解されたことを示す。
2025年の大阪万博で、大阪ベイエリア‐万博会場間や、会場内の運航を目指している。
遊覧や短距離移動から実用化をすすめ、法整備や社会受容性の向上、機体性能向上に伴い、救命救急やエアタクシーとして事業を行い、より身近で便利な移動手段を目指す」と話す。
※トラック情報社 物流新時代 提供※