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トラックドライバーに聞く 2024年問題

2023.04.13/カテゴリ:

「給料減ったが仕事は楽に」

大阪TSで

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2024年を間近に控え、運送会社はトラックドライバーの長時間労働の改善を迫られている。ドライバーは今の時代の流れをどうとらえているのだろうか。大阪トラックステーション(大阪府寝屋川市)で聞いてみた。

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給与減っているが時代の流れなので仕方ない

 2024年問題を受け、以前よりも休憩や休息について会社が細かく指示してくるようになった。そのせいもあり、以前のような長時間残業はなくなった。会社は地場の仕事を増やしており、長距離では稼げなくなった。その分給与も減っているが、時代の流れなので仕方ないと諦めている。

【堺ナンバー・地場および長距離・大型20t超・40歳代】

 

運転手はどうすることもできない

 うちの会社はコンプライアンスを遵守していると思う。労働時間や給与については、自分でも納得しており、不満はない。トラック運転手は会社や荷主の采配に従って動くしかない。昔のように長時間労働が当たり前だった頃も、運転手とはそういうものだと割り切って働いていた。労働時間が減った分稼げなくなっているが、運転手はどうすることもできない。【春日部ナンバー・長距離・大型20t超・40歳代】

 

稼げなくなったが、その分体は楽になった

 関西と関東を往復する仕事をしているが、休憩や休息は取れている。積込・荷下ろしの時間調整があると休憩・休息を取るタイミングは前後するが、基準には収まっている。

 うちのドライバーの年齢構成は40代から50代が多く、20代のドライバーはいない。会社の仕事を回すのに、ドライバーはもっと必要だと感じているが、休息を取らずに次の業務に就くというほどひっ迫した状況ではない。

 昔に比べ長距離の仕事は稼げなくなったが、その分体は楽になった。こうした現状に、とくに不満はない。

【厚木ナンバー・長距離・大型20t超・40歳代】

 

15年前に比べ手取りは6~7万円減ってる

 2024年問題を受けて拘束時間は短くなっている。電気部品を運んでいるが、積み下ろしの現場によっては長時間の待機も発生するため、4時間ごとに休憩が取れない時もある。ただ、こうしたケースは稀で、通常は運行管理者が休憩・休息の時間を上手くやりくりしてくれる。

 会社の賃金体系が歩合給なので、15年前に比べ手取りは6~7万円減っている。昔のように法律を無視して無理に働くより、給料が多少減っても、今の方が良い。時代が変わったのだから仕方がない。

【福岡ナンバー・長距離・中型4t平ボディ・50歳代】

 

かつてのように体張って稼ぐものではない

 2024年問題もあり、会社は「430」など休憩について、うるさく言うようになった。自社便を協力会社やフェリーの便に振り替えることが多くなり、運行時間も減った。以前は、長距離の仕事だと九州から関西、名古屋まで行き、さらに東京まで足を延ばすこともあった。しかし、最近は東京まで行くことは、まず無い。

 法律を守りながら九州から東京まで行くとなると、片道12時間を超えてしまう。2人運行にしないと行けないが、会社にそんな余裕はないのだろう。

 今後、九州から東京への長距離(直行便)の数が減り続ければ、九州の野菜や魚は当日中に東京まで運べなくなってしまうが、それも時代の流れかもしれない。

 トラックの運行時間が減った分、給料も減ったが、体は楽になった。給料が減っているのは、よその会社も同じで、運送業界がかつてのように体を張って稼ぐものではなくなったということだ。

 若手ドライバーが不足していると聞くが、昔に比べ、トラックの性能(エアコンなどキャビンの居住性能)は格段に上がり、仕事をしても疲れにくくなった。また、トラックにはドラレコや巻き込み事故防止装置なども装備され、より安全に仕事ができるようになった。

 若者にとって働きやすい環境に変わってきていると思うのだが…。

【鹿児島ナンバー・長距離・大型20t超・50歳代】

 

運送の仕事は楽なんじゃないかと思っている

 普段は地場がメインなので、休憩や休息は十分取れている。地場の仕事は雑貨や引越が多い。繁忙期に手当てが増えることはあるが、入社以来基本給はずっと変わっていない。

会社には自分以外にも20代の社員がいるが、お互いの休みを調整して、子どもの行事に参加したり、育児休暇を取ったりしている。

 個人的に、製造や建設、飲食業などと比べて、運送の仕事は楽なんじゃないかと思っている。今回のような長距離の仕事は滅多にないが、(他社の長距離運転手を見ていると、)コンプライアンスについては地場よりグレーゾーンが大きいと感じている。

 今はどこに仕事に行っても順番待ちがあり、待機時間は長い。長距離の場合、そのしわ寄せが全部運転手に押し寄せているようにみえる。

【長崎ナンバー・地場および長距離・中型4t箱ボディ・20歳代】

 

給料は数年前と比べ月2~3万は減っている

 35年以上トラック運転手をしている。拘束時間は以前と同じだが、休憩や休息をきちんと取るようになり、体は楽になった。給料は数年前と比べ、月2~3万は減っている。

 高知から関東へ野菜を運んでいるが、フェリーは利用していない。フェリーの利用は燃料価格の高騰もあり、以前より割高になっているという話も聞く。

【高知ナンバー・長距離・大型20t超・50歳代】

 

経営者側にしわ寄せは行っている

 ドライバー歴は40年以上になるが、2024年問題対策として会社は何かやっているようだが、現状、休憩についてうるさく言われたりはしていない。うちの会社は社長も含め10人ほどしかいない小さな会社。私以外の社員は、みな身内か親戚だ。

 そうした事情もあり、ある仕事で無理をすれば次は楽な仕事を振ってくれるなど、私に対して配慮はしてくれる。その分、身内の社員が深夜に走るなど、経営者側にしわ寄せは行っている。

 衣類を運ぶことが多いが、待機時間は昔に比べ長くなっている。物流センターで3~4時間待たされることもあり、予約システムはほとんど機能していない。

 私は仕事に体が慣れてしまい、拘束時間が長かろうが短かろうが大して気にならないが、将来トラックに乗りたいと考えている若者にとっては厳しいんじゃないかと思う。

 これまで通り荷物を運びたいのなら、荷主も本腰を入れて物流部門の改革に取り組まないと、将来必要な数だけドライバーを確保できなくなるのではないか。

【中小・練馬ナンバー・長距離・中型4tアルミ・50歳代】

 

昔に比べ手取りは3割くらい減った

 35年以上長距離ドライバーをしているが、昔に比べ、仕事に対する経営者の考え方は変わってきていると思う。

個人的には、(昔の仕事のやり方に慣れているので)8時間の休息は長すぎると感じているが、

会社は「休憩を取れ」「休みを取れ」「社速(高速90キロ・一般60キロ)を守れ」と、しつこいくらい言ってくるようになった。

 30年前は、地場の仕事をしてから関西や東北へ走るような無茶な仕事も結構あったが、今そんな仕事は無い。そもそも長距離の仕事自体が減っており、地場に乗り換えるベテランドライバーも増えている。

 自分は、毎日家に帰るような生活は逆に落ち着かないから、今さら地場に乗り換えようとは思わない。

昔に比べ手取りは3割くらい減った。元々体を動かすことが好きなので、パレット積みより手積み・手下ろしの方が健康にも良いと思っている。体が続く限り長距離の仕事は続けたい。

【金沢ナンバー・長距離・大型20t超・60歳代】

 

 

 

 


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