高速道路における事故防止セミナー
トラックは構造上車間距離を詰めがち
大阪府トラック協会はこのほど損保ジャパン肥後橋ビルにおいて、SOMPOリスクマネジメント㈱の羽賀俊之氏を講師に招き「高速道路事故防止セミナー」を開催した。
高速道におけるトラックの死亡事故発生率は、一般道の2・2倍発生しており、発生率も全自動車よりも1・8倍高い。

羽賀氏
セミナー資料より
セミナー資料より
また、トラックの事故類型別割合では車両相互の事故が一般道・高速道ともに多数を占めており、そのうちの66%が追突事故である。追突事故のうちの55%は停止車に対する追突である。
さらに、違反別事故割合では、前方不注意・動静不注意・安全不確認など、見ることが79%を占めている。 つまり、追突事故の多くは「見ていない」ことに起因する。
まず、構造上の問題として、トラックは運転席が高い位置にあり、見下ろすような視界になるため、車間距離に余裕があると錯覚してしまう。そのため、トラックは車間距離を詰めがちだ。
また、トラックは重量物を積載するため、停止距離は長くなる。
そのため追突事故を防止するためには十分な車間距離を取ることが重要になる。
人間の目は縦が長く見えるため、自分では十分車間距離をとっているつもりであっても、実際には取れていないことも多い。
羽賀氏は、適切な車間距離を取る目安として「車間時間」を紹介。
車間時間は、どのような速度でも前車が通過してから「ゼロイチ、ゼロニ……」と数字の前に0を付けて、4秒分数えて進んだ距離が適正な車間距離になるとした。
「車間距離を空けると割り込まれることもあるが、車間距離を詰めていると急な割り込みになり、自車・前車ともに危険なため、ゆったりと車線に入れるようにするためにも、4秒分の車間距離は必要である」と強調した。
※トラック情報社 物流新時代 提供※