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「宇宙輸送サービス」とは?

2023.07.20/カテゴリ:

2040年の実現に向け動き出していた

月への輸送の市場規模は2兆円

宇宙輸送サービス イメージ


昨年11月、将来宇宙輸送システム㈱(東京都)という会社が、室蘭工業大学と「再使用型宇宙往還ロケットの共同研究を行う契約」を結んだ。室蘭工業大学との共同研究により、 地球と宇宙を往復できるロケットの実現に向け、技術的な課題を洗い出し、将来的には、地球上の二地点間の超高速輸送、宇宙旅行などの「宇宙輸送サービス」を実現させるという。将来宇宙輸送システムとは一体何なのか。


 

ロケットは基本的に大気圏内で燃え尽きる

 

将来宇宙輸送システムは、実業家の堀江貴文氏(ホリエモン)が出資者の一人に名を連ねる宇宙インフラ会社、インターステラテクノロジーズ㈱(北海道)や、総合重工業メーカー・IHI(石川島播磨重工業、東京都)のグループ会社、㈱IHIエアロスペースなどの民間企業がロケットの研究開発・打ち上げを行っている。

旅客や貨物を宇宙に輸送するという話はもう既に進んでいるようだ。

旅客や貨物を宇宙に輸送するには、地球と宇宙を往復できるロケットが必要となる。

しかし、現在運用されているロケットは、一度打ち上げられると、基本的に大気圏内で燃え尽きてしまう。

旅客や貨物を宇宙に運ぶためには、今よりもロケットの耐久性と安全性を高め、かつ再利用が可能なものを作らなければならない。しかし、安全性に金をかけ過ぎて、輸送ビジネスの採算が成り立たないロケットを作っては意味がない。

そのため将来宇宙輸送システム社やインターステラ社は、ロケットを、いかに安全・確実かつ現実的な価格で利用できるものにするかという研究を行っている。

 

2040年には宇宙が生活、産業を支える

 

文科省研究開発局宇宙開発利用課が昨年7月にまとめた資料「革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ」によると、近年、諸外国は人工衛星の打ち上げや宇宙ステーションの建設など、宇宙輸送市場の開拓に力を入れており、「宇宙輸送市場で価格競争力のあるシステムを作ることができなければ、日本はコストの高い海外のロケットを調達して打上げを行うことになってしまう」と警鐘を鳴らしている。

また、「遅くとも2040年代前半までに、低コスト化も含めた宇宙輸送システムを実現し、宇宙産業を我が国の経済社会を支える主要産業の一つとする」という目標も掲げている。将来宇宙輸送社やインターステラ社は、こうした国の後押しを受け、積極的に事業を展開しているとみられる。

文科省科学技術・学術政策研究所が行った「科学技術予測調査」によると、「2040年には宇宙が生活、産業を支えるインフラとして活用されている」と予測している。宇宙に人類が普通に生活しているというのだ。

また、同調査では、宇宙空間を通って地球上の2地点間を超高速で結ぶ輸送が「日本発着ベースで年間5・2兆円の市場規模となる可能性がある」と試算している。

 

年間1万人が月面を訪問する

 

月面データの調査支援、月面への高頻度輸送サービスの開発支援を行う㈱アイ・スペース(東京都)でも、「2040年頃の月面には約1000人が居住し、年間1万人が月面を訪問する」と予想。

「月への輸送は最も輸送量が見込める市場の1つで、7人程度の人間しか滞在していない現在の国際宇宙ステーションに比べ、設備等を含めて100倍近い物資の輸送量が見込める。国際宇宙ステーションへの輸送量を年間15~20t、月面への輸送コストを1tあたり10億円と仮定するなら、月への宇宙輸送は約2兆円の市場規模となる」と試算している。

 

 

※トラック情報社 物流新時代 提供※